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今すぐやめよう!プラス思考
この本の主旨は、「マイナス思考はプラス思考より優れている」、これに尽きます。物事を前向きにとらえるプラス思考、一見いいように思えますよね。「物事を後ろ向きにとらえるよりも前向きにとらえた方がいいに決まってる」と思うかもしれませんが、こと思考においては、必ずしもプラスがよいとはいえないのです。
なぜかというと、「プラス思考こそが、現実逃避の温床に他ならない」からです。プラス思考こそが究極のマイナス思考といってもいいでしょう。プラス思考そのものより、プラス思考で行動することで、人間のマイナス面が助長されてしまうといった方が正しいかもしれません。プラス思考の根本的な考え方「何事もプラスに考えよう」は、「耳が痛くなる情報を耳にしたくない」という人間誰もが持つ気持ちと合わさると、「物事のマイナス要因を忘れよう」に、ついつい翻訳されてしまうからです。
プラス思考の問題点を4項目にまとめてみます。
| 1. |
プラス思考を身につけても、不幸に耐えられる忍耐力、
不幸を幸福と読みかえる超解釈力が身につくだけです |
「不平不満を言うのではなく、現状の自分が幸せである、と思いましょう」という考え方がありますが、自分が幸せだと思ったら、現状に対して何も手を打たなくなってしまいます。本当に幸せならそれを噛みしめていればいいのですが、そうでもないのに無理に自分は幸せであると思いこみ、現状に対して何もしないのであれば、いずれ、幸せと思いこむこともままならないほど、不幸になってしまうことでしょう。プラス思考は耳触りがよいので、つい現実を見誤ってしまいますが、現実を直視しないことには現実をよくしようがないのです。
| 2. |
プラス思考は、他人にとってはマイナス思考です |
「プラスにとらえる」とは、「自分にとってプラスにとらえる」ことで、つまりは、他人を無意識にマイナスにとらえることになります。「いやいや、人も自分もプラスにとらえるのですよ」と反論する方もいらっしゃるかもしれないので、具体的な例で考えてみましょう。
人に嫌な応対をされたとします。自分が嫌なことを言ったか、自分は嫌なことを言っていないが、相手が怒りっぽかったかのどちらかが原因になりますが、前者の可能性を考えるのは、自分にとってはマイナス思考で、後者だと考えるのは、自分にとってプラス思考だったとしても、自分を責める代わりに他人を責めていることになりますよね。
プラス思考とは、自分を軸にしている限りはなかなか見えてきませんが、どこかでプラスをすると、どこかがマイナスになり、その結果、自分1人の中でプラスでも、周囲と合わせて見ると、誰かから幸せを引いて誰かの幸せがマイナスになっているのです。
| 3. |
プラス思考だと、ありのままの自分を肯定するばかりで成長の機会がありません |
「ありのままのあなたが美しい」。プラス思考の典型的な思想ですが、すっぴんでも美しく見える人が、実はナチュラルメイクなのであるのと同様、ありのままで美しい人は実はありのままでも何でもないものです。
ありのままの自分をひたすら肯定するプラス思考のままでは、ありのままのあなたは、いつまでたってもありのままで、成長することがないでしょう。ありのままの自分を乗り越えていくことが、成長には不可欠なのです。
「人を信じよう」と言いますが、信頼して仕事を発注した相手がスケジュールを守ってくれなかったり、彼氏が友だちと旅行と言っていたのに実は女の人と2人で旅行だったり……一言、事前に釘をさしておけば、裏切られることはなかったのに、「信じよう」などと思って策を打たないから、ひどい裏切りにあってしまうのです。
そもそも、人間の性に目を向けず、自分にとって都合のよいことをしてくれると思いこむことを「信じる」と呼んでいるだけかもしれません。それは、「信じる」というより「期待しすぎる」ことに他なりません。その期待に沿わなかっただけで、「裏切られた」と思っても、それは自業自得でしかないのです。
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